新海誠作品と「距離」の話
国立新美術館で「新海誠展」をやっているようなので行きたいです。
数年前(2014年頃?)にも三島で新海誠展が開催されていたので行きましたが、そのときはまだ「君の名は。」が公開される前の話でしたからね。
「君の名は。」の展示もありそうなので、是非時間をみつけて行きたいところです。
さて、ありきたりな話になるかもしれませんが、
新海誠作品の好きな理由についてなんとなく書こうかと思います。
新海誠作品には、共通するテーマとして「届かない距離を追いかける」というものがあると思っています。(既に語りつくされた話だったらすみません。)
たとえば、
「ほしのこえ」では、
宇宙と地球という遠すぎる距離、メールが届くまで数年という時間的な距離
「雲の向こう、約束の場所」では、
国境を超えるという距離、並行宇宙という異なる次元との距離、夢と現実という距離
「秒速5センチメートル」では、
子どもにとっての種子島と栃木という距離、時間と共に離れて行く想いの距離
「星を追う子ども」では、
生と死という距離、地上世界と地下世界という距離
「言の葉の庭」では、
先生と生徒という立場による距離、12歳差という年齢の距離、高校生にとっての東京と高知という距離
「君の名は。」では、
瀧と三葉の生きる時間の距離、東京と飛騨という距離、生と死という距離
などなど、新海誠作品では、様々な距離を追いかける様が描かれています。
そして、メインテーマとされているのは、「もっとも届かない距離」で多くの新海作品ではその距離を縮めることを可能にしながらも、結局届かないまま終わりを迎えています。
新海誠監督の作品の魅力は、この「届かない距離」の追いかけ方の表現の秀逸にあると思っています。
特に高校生という、無力さを痛感する時代の、誰もが(特に男性は)一度は感じたことがありそうな「距離」を描いていると思います。
「君の名は。」が大ヒットしたことで、次回作にかかる期待は大きくなっているのかなと思いますが、今後も新海監督らしい作品に期待したいところです。